-
卵管の異常
-
・卵管炎、骨盤腹膜炎
・卵管の閉塞、お腹の中の癒着
卵管による受精卵の輸送と着床




- 卵管炎、骨盤腹膜炎
- 細菌やクラミジアによる感染が子宮頚管にとどまっている間は薬で完治させることができますが、感染が卵管に及ぶとことは重大です。卵管の内側の細胞には繊毛という細い毛が生えていて、これが運動して卵子を子宮のほうに運びますが、卵管に感染が起こるとこの繊毛が破壊されてしまいます。また、卵管の出口に感染が及ぶと卵管の出口が癒着して閉じてしまいます。さらにお腹の中まで感染が広がると卵管や卵巣、子宮や腸に炎症が起こってしまい、治った後にも広範囲な癒着を引き起こしてしまいます。こうなると排卵した卵子を卵管が取り込んで子宮に運べなくなりますから、不妊症になってしまいます。
今現在感染による炎症が起こっているという場合には抗生物質などで強力に感染を治す治療をします。
- 卵管の閉塞、お腹の中の癒着
- 以前に卵管の炎症を起こしたことがあったり、あるいは盲腸の時に腹膜炎を併発したことがある方は、卵管がつまったり、卵管、卵巣、子宮、腸などが癒着してしまっていることがあります。お腹の中が癒着していてもお腹の上からはわかりません。卵管が完全につまっている場合には子宮卵管造影でわかることもあります。しかし、子宮卵管造影だけではお腹の中の癒着の様子まではわかりませんし、子宮卵管造影に異常が無くてもお腹の中は癒着していることもよくあります。腹腔鏡検査をすれば、卵管やお腹の中の様子は手に取るようにわかります。もし卵管がつまっている、あるいはお腹の中が癒着している場合、妊娠に結びつく治療法は大きく分けて2つあります。
- 癒着がひどくて手術してもとても妊娠は望めない、あるいは手術はいやだという場合には体外受精になります。
- そしてもう一つは腹腔鏡手術によって癒着を剥離し、つまっている卵管に入り口を開けてあげる方法です。
いずれの治療を選択するかは、その方の状態によって異なりますので一概にはいえません。治療方法については専門医とご相談になることをおすすめします。
|